Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

見えないものが見える話

 普通の人に見えないものが見えるってことはさ、普通の人に見えてるものが見えないってことだよね。例えば、幽霊が見える人には、幽霊の背後にある景色は見えない。それって結構、危ないことじゃないかな。
 透けてるんだよ。
 まあ、幽霊はそうかもしれないね。例えが悪かったかも。それでも、幽霊が見えているのは確かなんだから、その人に対して幽霊の後ろ側にあるものは、少し見えにくくなるんじゃないのかな。
 一理あるね。
 でしょ。それでお願いがあるんだけどさ、ちょっとどいてくれないかな。黒板が見えないんだよね。
 ああなるほど、悪い悪い。君には僕が見えているんだったな。
 気をつけてくれよ、特に自転車こいでる時とかさ…
 はいはい。