Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

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 久しぶりの徹夜で疲れていたのか、起きたのは15時くらいでした。大学へ行って5限を受けて、それから駒場へ行ってTA氏と経過の確認。残念なことにうまくいっておらず、不具合を修正して再計算。修論発表を明日に控えたTA氏に遅くまで手伝ってもらうの申し訳ない感じがあります。僕がもう少し思慮深ければ、という気持ちです。なんかもうヒューマンエラーの見本として食ってゆきたい。

 明日はジェンダー論の試験があるので勉強をしています。女性活用策が各国で必要とされるようなった背景と、そのために各国がとった施策例をいくつか挙げ、そこに照らしてみたアベノミクス「女性が輝く社会」政策の特徴と解決すべき問題点を述べよ、とのこと。
 まず、女性活用が必要となった背景ですが、
・人口の減少による働き手不足
グローバル化により生産業が賃金の安い国外へ移転したため、サービス業の割合が増した
というような、経済的な状況の変化があるようです。
 ただ一度固まってしまった産業構造や人々の意識を変えるにはそれなりに大きなトップダウン型の刺激が必要で、そのために
・クォーター制の導入
・企業の役員について男女比に制限を設けるなどといったアファーマティブ・アクション
などやっているようです。
 このへんまでは本に載っていたことをまとめれば良いとして、アベノミクス云々についてはあんまりまともに講義を聞いていなかったことと政治のニュースに興味がなかったためちっともわかりません。首相官邸ホームページにあった資料を見てみた感じでは、相談所の設置や家事・育児支援の政策はあるけれども、どれも細々した感じで、とくに大きな変革をもたらすものではなさそう。「今の女性のあり方」を支援しはするけれども、男女格差を減らす方向には向いていない感じがします。むしろ逆を向いているかもわからない。具体的な数値目標みたいなものも全然書かれていないし。これから決まるのかしら。
 とか考えつつインターネットを調べていたら当の講師が書かれた記事を見つけました。
 『アベノミクスで「女性は輝く」か 』ルポライター・竹信 三恵子 | 特集・ 次の時代 次の思考 Ⅱ
 この先生の主張をまとめてしまうと、「家事労働の負担というものはこれまで軽視される傾向にあって、女性の社会進出を促進するためにはそこをなんとかせねばならないが、家事労働の負担はそれこそ軽視されてきたので、それを外部化したものであるところの介護や保育などの仕事に携わる人々の待遇は依然改善されていないし、女性が輝く云々政策においても改善される見通しは薄い」という感じになるのかな。なるほど?
 試験ではまあこんなふうのことを具体例を挙げつつ書けばいいっぽいですね。まあなんとかなるでしょう。

 ただ、試験とは関係なしにこういう問題を考えていると、なにがなんだかよくわからないという気持ちが大きいです。派遣や女性の低賃金労働によって持っている会社は、彼らの待遇改善によって苦しくなるでしょう。僕としてはそうでもしないとやっていけないような企業は潰れてしまえば良いと思っているのですけど、それによって出る影響は無視できない、とも思う。それから、家事労働者の待遇についても、それを改善することは、直接的には家計を圧迫するはずです。一方では、先の派遣や女性社員、家事労働者の収入は増えるのだから、彼らの消費もそれにともなって増大する。こういうふうに色んなものがトレードオフになっている状況下で、ある政策の有効度をどう考えるのか、僕にはよくわかりません。とにかく内需を拡大しよう、一度お金が回り始めれば何かしら好転する、ということなのでしょうか。講師が言うには、日本の経済は「妻つき男性モデル」なる構造に依存していたとのことなのだけれど、結婚する人が減ったせいで女性の悪待遇が表面化して、その分の穴埋めをせねばならない状況にある、という単にそれだけのことなのかもしれない。
 うーん、やっぱりこの手の話は僕に向いていない感じがあります。国家という枠組みで物事を考えることに慣れていない。なるようになるだろうと思うし、そういう動乱から身を守るだけの力は持っていたいと考えていて、だいたいそんな感じです。自分の生活が地域に縛られていなければ、もっと無関心を貫けるのにな。