Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

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 高校の先輩におすすめされていた、BQ38という劇を観ました。幸福がテーマの劇です。僕には演劇というものはよくわかりませんが、それでも密度の高いものを観せてもらった感じがします。役者や演出といった要素が、それぞれ真に迫っている。ストーリーの方も、登場人物たちによって、幸福に関するいくつかの態度が程よく代表されていて、ときどき知らずのうちに頷いている自分がいました。そうだよねえどうしようもないよねえ、と。けれど、あの結末はちょっと違うんじゃないかなって思います。それまでどこにも救いなんてなかったでしょう、僕らが生きているこの世界がそうであるように。そして、そのことがあまりにも鮮やかに示されていたがゆえに、最後の後ろ向きな前向きさは、とってつけたもののようにしか思えなかった。裏返せばそれは、生きることに何らかの価値を見出している人類への、あまりにも痛烈な皮肉ともなるわけですが。脚本を書いた人は、もしかしてそこまで考えていたのかもしれない。