Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0928

 心の哲学について。消去主義的唯物論の立場には親近感を覚えはするものの、そこには「消去主義」という考え方自体が消去主義によって否定されたはずの命題的思考であるという自己撞着が紛れ込んでいる。また因果的還元云々言ったところで、その因果というもの自体がかなりのところ怪しい。「因果や法則がある」という代わりに「因果や法則を満たすような事象のみが我々に認識されている」ということはつねに可能だからである。確たることを述べることができないのが哲学の問題だというラッセルの指摘は正しい。もはや悟りしかないのではないかと思う。

 真理が僕らの知性に余るものだったとしても、それは僕らの眼前で厳然と進行している。もうそれでいいんじゃないか。「神秘とは、世界がいかにあるかではなく、世界があるというそのことである」。虚無主義神秘主義という感じ。