Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0607

 ねこせんさんがTwitterで言及していたのにつられて、抜き打ちテストのパラドックスについて少し考えた。結局のところここにおける生徒の仮定とは「木曜日までに抜き打ちテストが行われないことを”予言できる”ならば、金曜にテストが行われることがわかる」ということである。だがそのような予言は不可能だ。ゆえに抜き打ちテストは成立する。このことは「一夜漬け」概念を経由すれば少しはっきりすると思う。生徒の言い分はこうである。もし木曜日までにテストが行われていなければ、金曜にテストがあるのは確実だから一夜漬けで対策できる、すなわち「抜き打ち」性は失われる。これ自体はよろしい。けれどもこのことから金曜日がテストの日ではないということは結論できない。というのも「木曜日までにテストが行われない」ことは木曜日にならなければわからないことだからだ。ここに一つの循環が存在する。「金曜日にテストが行われること」は「木曜日までにテストが行われない」ことによって知られるが、同時に「木曜日までにテストが行われない」ことは「金曜日にテストが行われる」ことに由来しているのだ。つまり生徒の主張は言い方を変えれば「金曜日にテストが行われるならば金曜日にテストが行われる」ということであり、これはパラドックスでもなんでもない。こう言えばよりはっきりするかもしれない。「木曜日までにテストが行われなかったことによって金曜日がテスト日であることを知る」ということは「X曜日がテストの日であるとあたりをつけて前日に一夜漬けし、その賭けに勝つ」ことと同値なのだ。かくして教師の予告は成就する。

 とか書いてみてなんか勘違いしてる気がしてきたのでもうちょっと考える。