Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0613

 どうにも存在論は好きになれない。それはただの説得と辻褄合わせのゲームだ、と言いたい気持ちがある。もちろんそれは彼らだって承知しているのだろう、気に喰わないのはまさにその点なのだ。「せっかく生まれたのだから(たとえ無意味であろうと)人生楽しまなきゃもったいない」と嘯く人たちと同じ匂いを感じる。「気に喰わない」などと言っている時点で僕も同じ穴のムジナなのだけれども、しかし。

 直交する価値観。僕の意味空間は次元が低い。

 大学からの帰り道、雨に濡れて黒く湿った樹木の幹にちょっと神的なものを感じてこれはいいなと思った。

 たぶん僕は雨が嫌いなのではなく傘をさすのが苦手なのだと思う。

 いつだって今が永遠に続けばいいのにと願っている。変化するのは僕の内面だけで十分だ。