Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0815

 机周りを片付けていたらコインマジックの本が出てきたのでコインマジックの練習をしはじめた。典型的なADHD仕草である。David Rothのハンギングコインというルーティンをきちんと演じられるようなっておきたいとかねてより思っていたので、Youtubeで参考動画を見ながら手順を追っていたのだが、動画の中で演者が綺麗にコインロールをやっているのを見て、そういえば僕はコインロール練習したことなかったなと今度はそっちの練習をはじめる。ADHD仕草その2である。でせっかくだからこれを「練習することの練習」にしようと思いたち、可能な限り意識的に訓練メニューを考えることにした。まず十分くらいがむしゃらに練習してみて、よく失敗するポイントを探す。はじめに目についたのは、中指から薬指への移行のぎこちなさだった。中指の背の上を転がってきたコインの縁を薬指で引っ掛けて捕まえるのだが、ここで毎回つっかえている。コインの縁が薬指の脇腹あたりに乗ってしまうのがよくないぽい。ひとまず薬指をより高く持ち上げることで対処する。また全体的な流れの悪さは、人差し指から中指への移行の段階で前もって薬指を準備しておくことによってクリアした。これで人差し指から薬指までの流れはまあまあ滑らかになった。すると今度は薬指から渡されたコインをうまく小指で引き受けることができずに取り落としてしまうことが増えてので、今度はその問題について考える。前三本の勢いが増したせいで小指が対応できていないようだった。これはコインを小指の根本方向に持ってくることでなんとかする。ここまでで一連の動作をつっかえることなくこなせるようになったが、まだまだぎこちないし無理をしている観がある。たんに習熟が足りないだけだろうかと反復練習を続けるがあまり改善しない。しばらくやっていると指がだめになってきたので気分転換に散歩に行き、モスバーガーで夕食を済ませて帰宅。外の空気のせいで芯までじめじめになってしまったので湯船にお湯を張って浸かる。直前に読んでいたフラニーとズーイ(これも片付け中に発掘したものである。ADHD仕草その3)に感化されて風呂にコインを持って入る。水に浸かりながら心を集中させるのなんかかっこよくないですか。でようやくコツをつかんだ。それまでやっていたように渡す先の指を高く挙げて無理に縁を掴みに行くのではなくて、現在コインを保持している指をタイミングよく自然に引き下げればよいらしい。それでいままで出てきた課題はだいたい解決する。めでたしめでたし。まだ流れるようにとまではいかないが、あとは慣れの問題である。今日はできることが一つ増えてよい一日であった。おしまい。