Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0820

 黒猫なんていないよ、ただ黒猫という言葉があるだけ。それは取っ手なんだ、あるいはツマミかもしれないが、それを介することで君は現実を操作できる。まあ君や現実も同じく取っ手の一つにすぎないんだけどね。烏はそう言うとばさりと羽ばたいて忽然と消えた。あとにはなにも残らなかった。