Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0228

現実を歪めたり覆い隠したりするような言説をユーモアとは呼びたくない気持ちがあります。ユーモアは知性を明晰にするものであってほしいと思う。まあでも歪みのない現実など幻想なわけで、これはただ自分の狭量さの表出に過ぎないのかもしれない。 言葉にす…

0220

よく考えるためには、まず考えを止めること。心の水面を静かにたもって、水底をじっと見ること。水底に光る自発性のきらめきを見逃さないこと。 コロナウイルスについて「正しく恐れよう」と言う人たちがいる。たいへん嫌な言葉だと思う。まるで絶対の正しさ…

0217

自分の心を観察するときは、推測を挟んではいけない。少なくとも共通言語の論理で推測してはいけない。それは自分固有の狂気を殺すことに繋がる。まず心が混沌を語るのを聞き、そこにある論理を引き出していかねばならない。 自分の不義理が巡り巡って自分を…

0214

言語化するということは、強弱の世界から有無の世界に移るということだ。 Philosophische Untersuchungen を全文丸暗記してみようと思った。言葉の意味や文法は気にせず、ただの音と文字の並びとしてすべて頭の中に収めてみる。それが終わったとき、僕の目に…

0213

茹でたてブロッコリーのしんなり鮮やかな緑が好きだなと思った。おいしい。

0211

暖炉のある暮らしっていいよね、ということで先日注文していたミニチュアレンガが今朝届いたので、さっそくミニチュアロケットストーブを作ってみた。これが東京暮らしの限界である(そんなことはない)。モルタルも準備してあるのだが、まずは仮組みして割…

0210

言語においてはミイラ取りは必ずミイラになる。相手を説得しようとすることは、相手の言葉を覚えることだからだ。多数の人々が曲がりなりにも共通の世界観を維持できているのは、この作用に依るところが大きい。もちろん身体的な同質性により生活環境が似通…

0209

語られたことはすべて規範的である。なぜなら、その内容を肯定するにせよ否定するにせよ、ある文を理解するということは、その文が真となるような条件を理解することであり、それはとりもなおさず、それらの条件が「見えている」ことを要請するからだ。たと…

0208

回転式に生活をやっているとふと旅に出たくなる。ここではないどこかの絶景を思い浮かべて、それを前に立ち尽くすことができたらどんなにいいだろうと考える。だがそうした瞬間に僕の頭を占めているのは、(インターネットや駅のポスターなんかで見て記憶に…

0207

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。という気持ち――気概と言ってもよいかもしれない――を取り戻していきたいと思う。近頃の僕はどうも言葉を意思疎通(これには自分自身との対話も含まれる)にばかり浪費している。それではいけない。光あれ、と…

1130

人間の思考はシンボルの集まりを再度シンボルとして認識することで進行してゆく。例えば、以下の問題*1を解く場合について例に考える。これは Bongard Problem という有名な問題で、左右6枚の模様はそれぞれ別のルールに従っている。このルールを発見するの…

0822

ここ半年ほど、学部教養程度の微積分を復習していた。あまり心の体力に恵まれた人間ではないので、仕事の合間に少しずつ、それも大半の時間を、極限の議論で用いられている思考の枠組みを頭に馴染ませることに集中していた。それでわかったのは、実数という…

0727

僕が数学に対して抱いていた疑念の中核は、数学の予言性はどこから来るのかということで、その予言性は、1.数学体系内における予言性と、2.自然現象に対する予言性の2つに大別される。1.は例えば、すべての自然数を調べ尽くすことなく示されたフェル…

臆病者の国

参院選に立候補していた東大教授の安冨歩さんが「臆病な人に国政を任せてはいけない」と主張しているのを読んだ。幼い頃から親や周囲の期待を背負い「成功しない自分に価値はない」と心底信じ込んだ人たちは、たしかに優秀な傾向があるし、社会的に成功する…

0715

「練習」によって出来ないことが出来るようになるという経験を、僕は最近までしたことがなかった。出来ることは最初から出来たし、出来ないことはいつまでも出来ないままだった。それは僕が練習という行為について間違った認識を持っていたからなのだという…

0626

意味という言葉を知る前から僕らは言葉でなにかを意味していた。だからきっと「意味」は〈意味〉ではなく、ただ反省が見せる一つの幻影に過ぎないのであろう。だが同時に僕らは「意味」という語でなにかを〈意味〉している、これもまた確かなことだ。「超越…

0531

色についての所感。 青。青は暗がりにぼんやり佇んでいるのが綺麗だと思う。黒に限りなく近づきつつしかし決して同化されない異質さに青の真髄がある。 赤。赤は集団・集合の色だ。紅色、朱色、橙、炎の色、血の色、ワインの色、煉瓦色、それぞれ微妙に異な…

1229

いろいろなことを考えてはいるのだが、他人に読めるような文章として書き下す余裕がない。まだ自分の中で整理がついていないというのもあるし、そもそも読み手を想定して書くことは僕にとって相当の熱量を要する作業である。労働をしているとそんな余力は残…

1115

どこまでも遠くに行けるのはたぶん、どこにも行っていないからなのだ。 先日、退社後に散歩していたときのこと、正規分布が特別な意味を持つのは、正規分布が独立同分布に従う確率変数を足すという操作における不動点みたいなものになってるからではないか、…

1103

折れた骨が折れた形でくっついて、また折れて。繰り返して人は異形の怪物になっていく。異形の怪物であるところの僕としては工業製品がうらやましい。 矢部嵩『魔女の子供はやってこない』は僕にとって新鮮な驚きだった。こんなふうに書いてもいいんだ、とい…

0930

忙しい日々が続いています。忙しいのは僕が馬鹿だからで、もう少し賢くならねばならない。やることが多いときこそ一歩退いて全体を眺めてみること。 およそ社会形態というものは、自然が人間に与える影響・暴力という不可避の矢印を、社会システムが媒介する…

0816

論理的推論は、紙の上に書かれたいくつかの線分を、あるルールに則って延長していくことに似ている。延長は証明のステップであり、線の交わりは帰結である。論理的プラトン主義者は言うだろう。はじめの線分と延長のルールが与えられれば、それ以降に描かれ…

0710

先日断食をして元気になったことをきっかけに、もしかして自分はもっと食事量を落としたほうが調子が出るのではないかと思いだし、しばらくあまり食べない生活を続けていたのだが、普通に調子を崩した。ので食事量はもとに戻した。食べないと人は生きられな…

0708

真理は社会性の産物であり、懐疑は孤独の産物である。人は独りで約束を交わすことはできない。 三角関数などからサンプリングした点をモデルで補完して、ほらパラメタが多いとオーバーフィットしましたね、みたいなことを言う解説がたまにあるけれど、あれは…

0608

いま自分は何も考えることが出来ていない、という事実にふと気づく瞬間があり、そういう瞬間が最近増えている。よいことだと思う。頭の中でイメージをこねくり回したり言葉を連ねたりしているとなにかを考えている気になってしまうのだが、そうした実感と有…

0526

ここしばらくずっと身体(脳含む)の調子が悪かったのだが、先日ふと思い立って一日断食をしてみたところ面白いほど調子が回復して能力が300%(当社比)くらいになった。栄養が不足したことによって狩猟モードに復帰したか、あるいは胃腸に休息を与えたこと…

0518

自分の意識は、自分が語ることを聞くことではなく、自分が見ているものを見ることの上にあるなあと思った。 C.S.パースは、数学のすごさはその確実性・無謬性にあるのではなく(実際、人はしばしば演繹を間違える)、たとえ誤謬が発生したとしてもそれをすぐ…

0513

問いとはなんなのだろうかと考えていた。内省してみると、問いにともなう内的感覚は焦燥に似ている。何をしたらよいかわからない居心地の悪さ。たとえば「問いとはなんだろう」と口にしてみる。そのあとに如何なる言葉を続けるべきか直ちにはわからない。わ…

0425

先日映画館でタイタニックを見た。「午前十時の映画祭」でリバイバル上映されていたのである。現実と虚構の接続がたいへん見事で、お話としても非常によく出来ていると感じだけれども、人間ドラマとしてはそれほど心動かされはしなかった。いちばん心に残っ…

0418

豊かな人生を送りたいと思う。ここでいう豊かさというのは、豊富な教養とか丁寧な食生活とか適度な運動とかそういったものの集積のことではなく、退屈な時間を持て余してノートの片隅に落書きをはじめるような、そういう隙間に満ちた生活のことである。にゃ…