Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

 僕はもう、過去の自分の愚かさに疲れてしまった。疲れ果ててしまったのだ。後ろを振り返るのが怖い、誰かが昔の僕に言及するのではないか、耳を塞いでしまいたい、目を閉じてしまいたい、記憶を抉り出して捨ててしまいたい。物心つく前に、全てを知っておきたかった。あるいは、物心なんてつかなければよかった。のに。