Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0706

 その世界では、空間とか時間とかはア・プリオリにあるものではなくて、物質の性質として考えられている。物質の必要とする容積が空間であり、それとも物質とは空間のことであり、物質の無い部分は端的に無である。ものとものとの関わりは光によって伝播されるから、光も空間としての性質を持つことになる。真空を進む宇宙船は、無を掻き分ける空間の尖兵であり、その発する光は、同じように無をかき分けて観測者の目に映る。僕達の世界と同様、距離は光の進む時間によって定義される。また、時間は、光の進む距離によって定義される。質量とエネルギーは等価で、エネルギーとは光のことだから、空間は光の性質であるということになる。この世界では、宇宙の果てを考える必要はない。光の届いた最遠点がそのまま宇宙の果てである。すなわち構成的な無限が許されており、宇宙の果てのその外を考えることが原理的に出来ない。宇宙の物質の量は有限だから、宇宙の空間的広がりは変化せず、ただそれらの間の距離のみが開いてゆく。
 というような空想をしていたのだけど、それこそ空間の性質だよなあ、とか。無に対して開いた宇宙というものを考えれば、宇宙の外には何があるの的質問への回答になるのではとか考えたのだけど、それはただ納得出来るかどうかの次元の問題で、本質的なものではないなと悟ったのでした。

 そんなことを考えながらサークルへ。何が起きたんだろうと世界の終わりを訝しむ程に外が暑くなっていて、げんなりなりました。
 先の演奏会の反省会。録音を聞いて反省点を書くというものだったのですが、僕は遅刻したので聴き逃しました。自分の演奏を聞く機会だと思ったのに。まあ暑かったのと持ってくるよう頼まれた荷物が重かったのが敗因でしたね。

 その後、演奏会の打上げへ。宴会場は皆うるさくて困ります。人と話ができません。それで、僕も声を張り上げることになるのだけど、この声量の大小はどこかで平衡に達するはずで、いくつかの要因を調節することでもう少し静かにさせることが出来るに違いない、とか考えていました。化学平衡のアナロジー。(ちょっと違う) 一番の問題は声がなかなか減衰しにくいことだと思うのだけど、衝立を置くことでなんとか出来るかもしれない。(僕は居酒屋の経営者にでもなったつもりか)

 ふんわりした気分で帰宅。今日はもっと勉強するつもりだったのだけど、なんかやる気も何処かへ行ってしまったので、さっさと寝ましょう。明日は英語二列の発表を用意しなくては。