Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0913(インド9日目)

 暑さで目が覚めるとまだ寝台列車の中にいました。(当たり前だ) 急遽チケットを取ったためクーラー付きの車両に乗れなかったのです。夜の間はまだしも、日が昇り始めてからの車内は気が遠くなるほど暑く、列車がバラナシに到着する13時までの数時間は地獄でした。
 バラナシに到着して適当なオートリクシャーを捕まえてガンガー(ガンジス川)近くの安いホテルへ行くよう頼むと、そこそこ手頃でそこそこ良いホテルへ連れて行ってくれました。
 ホテルのスタッフの50くらいのおじさんと談笑しながら、屋上のレストランで談笑していると、三人の日本人旅行者がやって来ました。彼らは東京の大学生で、このホテルに数日滞在していると言います。なんでも、彼らの連れが一人体調を崩し、病院で呻いているらしいのです。彼等のテンションはどこか自分に通じるものがあって、インドで始めて旅の仲間を得た気がしました。
 しばらく休んでから、その三人とはまた別の日本の大学生二人組(このホテルは本当に日本人が多い。日本人はここに連れてくる取り決めがリクシャワーラーの間でなされていたりするのか)と寺院観光。オートリクシャーで街を回りながら色々と見せてもらったのですが、文化的背景がよくわからず少しつまらなかった。ドゥルガー寺院はちょっと面白い形をしていて良かったかな。天へそびえる宇宙船みたいで。僕が初めてドゥルガーの名を知ったのは、とあるSFに出てくる海賊船の名前としてだったから、少し感慨深いものがありました。
 締めくくりは、機織り工場。シルクやカシミアを機械や人が織っていました。特に自動機織り機械が規則正しい音を立てながら稼働している様子は見ていて心地よく、何時間でも眺めていられそうでした。パンチカードを読み取りながら縦糸と横糸をそれにしたがって自動で模様を織り込んでゆくのです。それがスチームパンクな解析機関を思い起こさせて心躍ります。gifアニメにすると良さそうな感じでした。
 土産用にショールを買って(旅行者向け土産屋の1/5の価格だった)、ホテルに帰還。晩ご飯を食べながらさっきの三人組と延々と不健康な会話を繰り広げました。まあインドくんだりまでやってくるような人間はアンヘルシーであると相場が決まっているよねとか何とかかんとか。特に彼らのうちの一人が大学燃やしたいとしきりに言っていたのがたいへん印象的でした。わかるよその気持ち。
 翌日はホテルの例のおじさんがガンガーの日の出を見せてくれるというので、少し早めに眠ることに。最近睡眠が不足しているのでぐっすり休みましょう。