Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0919

 小さいころ怖かったこと。夕暮れの下校途中、僕は空間にぽっかりとあいた孔を見つける。興味本位にその孔をくぐってみると、そこには元の世界とまったく同じ世界が広がっていたのだけれど、同時に強い違和感がある。人も景色も、あらゆる点で自分の世界と同じなのだけれど、しかし自分の直観はここが元来た場所とは違うところであることを告げている。僕は怖くなって孔のところまで戻り、元の世界に戻ろうとして孔をくぐる。くぐった先はまた同じ世界。けれども、違和感だけは残っている。ここは本当に元の世界なのだろうか、それともまた別の同じ世界なのだろうか。わからない。僕はまた孔をくぐる、何度も何度もくぐりつづける。現れるのは、変わらない風景。でも何かが違う、何が違うのだろう。くぐりつづける。違和感が強まる。もはや、元の世界にたどり着いたとしてもこの違和感はなくならない気がしてくる。違和感は強まる。ここは元の世界ではない。

 内井惣七の「論理と推理」を読みました。シャーロック・ホームズに絡めた、科学哲学の本。自分なりにきちんと考えながら読んだつもりなのだけれど、なにか大切なものが指の隙間からこぼれ落ちてゆくような虚しさがあります。大切なことはきちんと記憶しておかなければなりません。そのままの形でいいから、言葉を頭に刻みこむこと。漠然としたイメージを持つだけでは足りないのです。それは血肉にはなるけれども、道具にはならない。そして僕には道具立てが圧倒的に欠けているのだ。
 本に出てきたヒューウェルという哲学者の思想が気になります。はっきりしないけれども、正しいことを言っている予感がある。

 夕方からバイト。面倒な問題を解いていたら業務が終わっていました。結局解けなかったし。ううむ、無能感高まる。
 解けなかったのは『サイコロを7回ふってk回目(k=1,2,3,4,5,6,7)の出目をa_kとする時、a_k > a_(k-1)となるようなkがちょうど3つあるような出方は何通りあるか』という問題です。幾つか方法を試してみたのだけれど、一番単純だと思ったものでも、13〜23の整数を1以上6以下の整数7個の和に分割することをやらねばならなくて、流石に無理だとなりました。コンピュータを使ってその分割を全て出力させてみたところプリント用紙10枚分ほどになったし、流石に現実的ではないのでべつのやり方があるのでしょう。でも僕には分からない。悔しい。(シルルさんに期待)

 amazonで買ったORCAというボールペンがやってきました。インターネットで見つけたジェットストリームのリフィルを入れて使えるボールペンの中ではもっとも好みなデザインで、名前の通りシャチのような流線的フォルムをしています。値段も手頃だし、バランスもなかなか。良い買い物をしたと思います。筆記具を新調するとやる気が高まる。