Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

ペンの持ち方についての研究

 いい加減にペンの持ち方をなんとかしようと思って、小一時間ほど試行錯誤してみた。結果、思った以上に書くのが楽になったので、ここに書き残しておく(多くの人は当たり前にできているのだろうが)。

 良いペンの持ち方の条件・要素とはなにかということを箇条書きにしてみる。

  • ペンをしっかり固定できること
  • 精密な制御ができること
  • 疲れないこと
  • 筆記具の種類と角度
  • 紙面と手の接触
  • 力の入れ具合

 などなど。
 他にもたくさん考えるべきことはあるのだろうけれど、ひとまずはこのくらいからはじめることにした。

 まずペンの固定の問題である。これはおそらく、中指の第一関節より先の部分を支点とし、親指によって人差し指の第二第三関節間に押し付けるのが最も効率が良い。関節と関節の間のくぼみにはまることによってペン軸のブレが抑制できるし、親指の稼働範囲や筋肉にとっても都合が良いように思われる。このとき、親指は中指よりは上の部分でペンに接さなければならない。これはテコを考えれば当たり前のことなのだが、僕は今まで親指を下の方に伸ばしすぎていて、中指と親指でつまむような形でペンを保持していた。これでは軸がブレるのも当然である。そのため親指と中指に余分に力を入れる必要が生じ、疲れやすさや文字のいびつさを招いていたようだ。
 ペンの固定の問題が解決したら、今度はペン先の制御の問題である。ここで考えなくてはならないのは、力をどのように入れるかということと、紙面と手の接触についてである。
 力の入れ具合についてだが、人差し指はできるだけ力を抜いたほうが良いようである。これまで僕は固定の不十分さから人差し指にも相応の力を加えていたが、親指と中指での固定がうまくいくようになるともはやその必要はない。ペン軸に軽く巻きつけるように添えて(親指と人差指が軽く触れるようにすると自然とそうなるはずである)、要所要所のサポートに回すのが効率的な人差し指の使い方だろう。また調べたところによると小指に多少の力を加えると手全体が安定するようである。感覚としては、指を折り曲げつつ外側に少し引っ張るようにし、小指の第一関節より先が紙面に接するようにすると良い。これは紙面と手の接触の問題にも関わる。滑らかに手を動かすためには、紙との接触面はなるたけ少ないほうが良い。だがあまりに浮かせすぎても安定が悪い。その辺りの塩梅を考慮すると、小指の先と小指球の二点で紙に触れるのが良いようだ。こうすると自然と小指に力が入って手の形がしっかり固定されるし、ペンが横に寝過ぎることもない。
 とまあだいたいこのくらいまで考えた辺りで概ね満足し、残りはいろいろ書き試しながら調整してゆくことにした。持ち方を変えたせいで今まで使われていなかった筋肉が悲鳴を上げているが、以前のような妙な手首の疲れはない。これによって書くことを楽しめるようになれればいいなと思う。