Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0708

 真理は社会性の産物であり、懐疑は孤独の産物である。人は独りで約束を交わすことはできない。


 三角関数などからサンプリングした点をモデルで補完して、ほらパラメタが多いとオーバーフィットしましたね、みたいなことを言う解説がたまにあるけれど、あれは嘘っぱちで、ただ人間から見るとその点は三角関数に見えるという話に過ぎない。人間は、人間(あるいは自然)に近い仕方で点を内挿するモデルを評価するが、そのモデルはべつに正しいわけではない。醜いアヒルの子の定理。


 期待値と分散のトレードという意味では、保険と宝くじは同じである。繰り返しを本質とするこの科学的宇宙においては軍資金の多いほうが有利だ。なんだかなーと思う。

 人類をもっと暇にする仕事に従事したいと思う。しかし暇があるならそれを「有意義に」利用する集団のほうが戦争一般に有利であり、なので僕がいくら頑張ろうとちょっと生産性が向上しておしまいである。この構造が自然に解決されるとは考えづらい。根底にあるのは人間がほとんど本能的に持つ競争心であり、他者に遅れを取ることに対する生理的な恐怖である。それらを煽る燃料は速度と範囲を増し続ける通信網によって延々と供給され続けるだろう。状況は悪い。なんとかなってほしい。


 見通せないことはあってもよいが、その理由がたんなる光の不足以上のものであってはならない、という気持ちがある。すべてが透明でありますように。