Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0503

 ニューヨークで行われた抗体検査によれば、ニューヨーク市民のうちの 25% ( 200 万人くらい)はすでに covid-19 の抗体を持っているようで、死者数 13000 人ほどなので、単純計算で 0.5%~ くらい死ぬことになる。ヨーロッパ各国における例年の死亡統計との乖離から covid-19 由来の死者を見積もった分析では、報告された死者数よりも 30~50% 多そうだということが報告されていて、もう少し致死率は高いのかもしれない。恐ろしい。一方で日本国内で実施された抗体検査によれば、東京・大阪・神戸などで 1~5% 程度の人がすでに抗体を持っていたとのことで、これは covid-19 以外の要因で病院を受診した人を対象に行われたものなので多少のバイアスはかかっていると思うが、だいたい全国で 100 万人くらいが感染していることになる。とすると一万人近く死んでいておかしくないわけだが、実際の死者数は多めに見積もってたぶん 1000 人くらいで、ニューヨークと比較すればかなり低い。BCG 日本株が云々という噂も出回っていたが、あれはどうも感染の広がり方によってそう見えていただけのようだ、という論文(未査読)が上がっていた。実際そうなんじゃないかと思う。で、調べてみると covid-19 は変異を繰り返しているようで、 A, B, C の3タイプくらいにざっくり分けられるらしい。A はコウモリから見つかったものに近く、それほど感染者はない。武漢はじめアジアで流行ったのが B でやや弱毒性、 C がヨーロッパ・アメリカで人をたくさん殺しているものらしい。とすると日本で抗体持ってる人たちというのは弱めの B 型に感染して covid-19 だとは気づかなかった人たちなんだろうか、と思ったのだが、抗体検査がウイルスの各型を見分けられるのかどうかについて情報を見つけられなかったので確証はない。そもそも武漢では B 型でああなっていたわけで、うーむ。ああでも、武漢の死者数は 4000 人程度なので、武漢市民 1000 万人のうち半分くらいが感染していたとすれば、 B 型の致死率に関してはおおむね辻褄が合うことになる、のかな。まあこの辺は武漢で行われたらしい大規模な抗体検査の結果を待つしかなさそうである。

 僕は雑な見積もりがわりと得意でだいたい2,3倍の誤差内に収まることが多い。最近やったのではシャープマスクの倍率予測(予測が 100 倍で、実際は 117 倍)とかハンコ業界の市場規模予測(予測が 1000 億円、実際は 2000 億円)とかで、基本的にパズルとして楽しむだけだったのだけど、よく考えるとこれはそこそこ便利な特技なわけで、せっかくなので生活上のことをいろいろ計算してみている。covid-19 のこととか。できることはやっといたほうがいいからな、たぶん。