Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

圧縮

注意

自分の内側をつねに減圧しておくことだくぐもって遠い心音が厚いガラスの向こうに聞こえる純粋意識は夢に空いた穴 完全な真空さめればさめるほど私の時計は自由になる羽毛と鉄球の区別は失われ記号たちは烏にまじって遊んでいる しかし私は singularity にな…

過程

閉じた目蓋のうらの暗闇は星空よりも広くなければならない。湖の底でたゆたいながら、肌になじむ水の動きに心をとかし、何もないことに耐えかねた空間がふつふつと泡立つのを待つ。指先のみを頼りに、光と闇の隙間から鍵を拾い上げるとき(もちろんそれは誰…

圧縮

無限に大きな紙が不気味だったので折りたたんで折紙魚にした冷たく重い水の底二度あることが三度ある場所 だから一枚の鱗は無限に重なる超越論的議論の帰結はそう示唆するものの確かめることはできずそれゆえ知性が立ち上がる無視された差異の残響折り出され…

例外

この世界は印刷された物語で、登場人物の僕がいくら暴れてみせたところで、それもまた静謐な明朝体の配列に過ぎず、紙面が破れたりはしない。しかしいつの日か落丁の一つでも作ってやりたいものだと思う。 このお話から脱出するという考えと比べれば、それ以…