Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

2016-01-01から1年間の記事一覧

1201

くるりくるり。無限小の円周を歩いて回る。 孤独について考えていました。思うに僕は、あらゆる超越的なものたちを言語ゲームの内側に位置づけるにあたって、他者性という超越も退けてしまったのだと思います。何が言いたいかというと、他者というものもまた…

1118

物事を抽象化するためには、捨象される部分が一個の対象として"見えて"いなくてはならないということに気付いた。つまり抽象化においては瑣末な情報が落ちているのではなく、それらが(こう言ってよいのかはわからないが)無意識に回収されているのだ。個々…

1026

強化学習では長期的な報酬の最大化の困難さが問題になっているけれども、人間でも同じことが言えるはずである。つまり報酬はできるだけ短いタイムスパンで明確に与えた方がよい。先日久しぶりにタイピングゲームをやっていてそれを実感した。ためしに細かい…

1016

自分には多少のアレキシサイミア傾向があると思う。アレキシサイミアとは自分の情動を認識することが不得手な性質のこと。そしてその欠陥を、観察によって補っているところがある。たとえば自分は絵を描くことが好きだと思う。でもじっさい絵を描いていると…

1015

卒論がなかなか書けないので焦っています。内容自体は大筋で決まっていて、喩え話もたくさん用意してあるのに、なかなか筆が進まない。計画的に少しずつ書いてゆけば良いのだと言葉の上では思うのだけれど、心の底ではこれは「一気に書いてしまう」べきもの…

1014

ランダムネスもまた言葉、観念にすぎないのだ、ということを思う。つまりそれに対応する実体がこの世界にあるわけではないということ。無意味が非意味であるのと同じように、無規則もじっさいは非規則として見出された一つの規則なのだということを考える。…

1013

紙面を線によって分割することを考えよう。言うまでもなくこれは分節化の比喩である。紙面は世界であり線は文法であって、線に囲まれた領域は観念である。さて、ある領域を囲むために引かれた線が、意図せず他の領域をも囲っているということがありうる。こ…

0928

予測という課題も実際は分類なのだ、ということに気付いた。というか、(これは妙な表現なのだがとにかく僕にはそういうことがある)、以前気付いていたことがようやく腑に落ちた。つまりこういうことである。いかに物理学とはいえ、あらゆる意味で未来を予…

0926

最近また鬱っぽくなっている気がする。突発的な面倒事にまったくと言っていいほど対処できない。不調の影響を最も受けにくいのがルーチンワークであるためなかなか気付かなかったけれども、これはなんらかの対処を考えたほうが良さそうだ。ぐえー。 自分の文…

0925

論理定項がこの世界に実在するかという議論において、若きウィトゲンシュタインはラッセルに対し「この部屋にサイがいないことを証明せよ」と食ってかかったという。「否定」のような論理定項が実在するなら、それを見せてみろというわけである。結局ラッセ…

0924

記号とは対象を代替するものではなく、むしろ人間を操縦するための特殊な刺激であると捉えたほうが筋が良い気がする(これも一つの喩えだが)。少なくとも「計算は予測をしないが、君は計算によって予測をすることができる」というウィトゲンシュタインの言…

0923

DeepMindのsynthetic gradientsを試してみようと思っていたのだけど(weightの更新にbackwardを待たなくて良いのは魅力的である。しかし本当にうまくいくのか?)、Chainerで書くのは結構面倒そうだったので勉強がてら一から小さなニューラルネットを書いてみ…

0917

自分の気持ちというのもまた一つの言語ゲームである。気持ちに実体などない。生活の各場面において気持ちとして扱われる"表現"こそが気持ちの実態なのであって、その背後に本当の気持ちが控えているというわけではないのである。我々が自分自身を観察したと…

0913

何もしたくないときに何もしないでいられる人生にしたい。 僕らは"ほんとう"の世界については何も知れないだろうけれども、僕らが描いた世界(あるいは世界が描いた世界に言ってもよいかもしれない)についてならば、限りなく精密に知りうるだろう。僕らは世…

0831

メインPCが突然故障したので修理を依頼していたのだけど、今日業者が引き取りに来た。調べたところわりと頻発している不具合らしく、購入前の調査が甘かったなと反省しつつ保証期間内に故障したのは僥倖だったなと思う。ただしばらくメインが使えないのであ…

0827

物理学が現象を高精度で予測できることは、すべては解釈でありゲームであって世界と直接関わるものではないという認識に相反するように思われる。われわれは世界について何か本質的な知識を掴んでいるから、それができるのだと言いたい気持ちになる。とくに…

lucidity

lucidity【名詞】 1清澄,透明. 2明瞭,明晰(めいせき). 3(精神病患者の)平静,正気. 僕以外の人間だって「私だけの赤さ」について語ることができる、だからそれは本質的な問題じゃない。だからといって誰にでも〈この私〉があるというわけでもない。意識と…

0815

MSCOCO Challengeは難航しています。なかなかきれいにInstanceを区別できない。論文を眺めた限りでは、最近の個体認識可能なSegmentation用のアーキテクチャはおおむね、ある個体における各要素の相対的位置づけを予測したのちそれらを統合するという方針を…

0811

りんごは実在するだろうか?いいえ、りんごはアトムの寄せ集めにすぎない。ではアトムは実在するだろうか?わからない、というのもアトムが実在するというときの「実在」は結局のところりんごの「実在」と同じ実在であるから。われわれに与えられている実在…

0806

現実をどこまで数学に近づけられるか。条件を厳しくしてゆけば実験は(正しい)数学的モデルに無際限に近づいてゆくという予感をわれわれは持っており、しかし無限に条件を厳しくすることはもちろんできない。ここで「無限に条件を厳しくする」ということは…

0805

「よくわかりません」という祈りの声だけが虚空を満たしている。 計算はそれを実行する基体に依存しないということが、われわれが世界に触れられないことの証明になりはしないか。証明というのは嘘で、いつものことながらこれは喩え話なのだけれども。言葉を…

0801

ヒューム『人性論』を読んだ。「世界について知ることはけっきょく自分の中にあるものを知ることに過ぎないのだ」というこの失望を、はるか昔の哲学者がすでに味わっていたということ。逆説的ではあるけれど、なにか勇気付けられたような気持ちになる。とに…

0729

ある状況においてそのルールが適用されうるかいなかを決定する必然的な規則は存在しない。たとえば法律はそれ自体で人を罰するものではなく、それを適用する仕組みがあってはじめて機能する。そして「ある状況」はつねに恣意的だ。この世界のカテゴリには「…

0718

すべての言葉が詩になる特異点。 砂漠の真ん中で星を見るのが夢です。 「私は見ている」という表現は「彼は見ている」と対比されてはじめて意味を持つ。そうでないならただ「見ている」で良いし、より正確には、それが見えたことによる行動の変化があれば良…

0709

世界に意味を見出すことは、世界にその使用法を見出すことでもある。だから世界の解像度を高めることは、願いと意志の精度を高めることでもある。 「われわれの語は「意味」という表現をもっている。ただそれだけのことがわれわれを誤らせてしまう。われわれ…

0702

パラメタ数の多いニューラルネットほど悪い局所解に陥りにくいという話をバイト先の上司にしていたとき、彼がこんなことを言っていた。「結局のところ社会主義よりも資本主義がうまくいっているのは、単に変数が多いからではないか、とかつて考えたことがあ…

0618

Chainer-SegNetを実装してみた。max_pooling_2dのbackward_cpuを参考にして書いたupsamplingがやたら遅かったので、ちょっと頑張って高速化。1桁くらいは速くなったけど、まだやりようはありそう。副残物としてpoolingのbackward_cpuも同じくらい高速化され…

0613

どうにも存在論は好きになれない。それはただの説得と辻褄合わせのゲームだ、と言いたい気持ちがある。もちろんそれは彼らだって承知しているのだろう、気に喰わないのはまさにその点なのだ。「せっかく生まれたのだから(たとえ無意味であろうと)人生楽しま…

0608

昨夜は抜き打ちテストのパラドックスに関する本質的な説明を見つけた気がして衝動的に文章を書いてしまったけれども、落ち着いて考えてみるとまったくそんなことはなかった。自分の衝動性については十分に自覚しているつもりだけど、そんな自覚も些細なきっ…

0607

ねこせんさんがTwitterで言及していたのにつられて、抜き打ちテストのパラドックスについて少し考えた。結局のところここにおける生徒の仮定とは「木曜日までに抜き打ちテストが行われないことを”予言できる”ならば、金曜にテストが行われることがわかる」と…