Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

哲学探究を読む(10)

今回はまとめて第11~14節。これらの節では、前回も引用したが、以下の主張を補強するためのいくつかの例え話が語られる。 「言語に含まれる一つ一つの語は何かを表記している」とわれわれが言うとき、このことによって、さしあたりまったく何ごとも言わ…

1016

赤さを認識しているときの脳の(あるいは世界の)状態がそのまま〈赤さ〉であるといってなにがいけないのか。どうして僕らは脳の状態と私的感覚を区別するのか。これはおそらく、われわれの言語活動に根差した問題であって、われわれが生活の前提としている…

哲学探究を読む(9)

また前回から日が開いてしまった。何度か筆を取ってはみたものの、第10節の内容について納得のいく解釈が得られず、毎回途中で放擲してしまっていたのだ。実のところ、第10節が理解できないというそれは現在進行形の問題なのだが、このままだと悩んでい…

1006

自由とは何かという問いは途方もなく難しいが、視点を変えて、人が不自由を感ずるのはどのような場合かを考えてみると、こちらについては比較的簡単に結論を出すことができて、それは欲求が抑圧されている場合であると思う。とくに、叶えられて然るべきと思…