Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

2019-01-01から1年間の記事一覧

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人間の思考はシンボルの集まりを再度シンボルとして認識することで進行してゆく。例えば、以下の問題*1を解く場合について例に考える。これは Bongard Problem という有名な問題で、左右6枚の模様はそれぞれ別のルールに従っている。このルールを発見するの…

0822

ここ半年ほど、学部教養程度の微積分を復習していた。あまり心の体力に恵まれた人間ではないので、仕事の合間に少しずつ、それも大半の時間を、極限の議論で用いられている思考の枠組みを頭に馴染ませることに集中していた。それでわかったのは、実数という…

0727

僕が数学に対して抱いていた疑念の中核は、数学の予言性はどこから来るのかということで、その予言性は、1.数学体系内における予言性と、2.自然現象に対する予言性の2つに大別される。1.は例えば、すべての自然数を調べ尽くすことなく示されたフェル…

臆病者の国

参院選に立候補していた東大教授の安冨歩さんが「臆病な人に国政を任せてはいけない」と主張しているのを読んだ。幼い頃から親や周囲の期待を背負い「成功しない自分に価値はない」と心底信じ込んだ人たちは、たしかに優秀な傾向があるし、社会的に成功する…

0715

「練習」によって出来ないことが出来るようになるという経験を、僕は最近までしたことがなかった。出来ることは最初から出来たし、出来ないことはいつまでも出来ないままだった。それは僕が練習という行為について間違った認識を持っていたからなのだという…

0626

意味という言葉を知る前から僕らは言葉でなにかを意味していた。だからきっと「意味」は〈意味〉ではなく、ただ反省が見せる一つの幻影に過ぎないのであろう。だが同時に僕らは「意味」という語でなにかを〈意味〉している、これもまた確かなことだ。「超越…

0531

色についての所感。 青。青は暗がりにぼんやり佇んでいるのが綺麗だと思う。黒に限りなく近づきつつしかし決して同化されない異質さに青の真髄がある。 赤。赤は集団・集合の色だ。紅色、朱色、橙、炎の色、血の色、ワインの色、煉瓦色、それぞれ微妙に異な…