Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

2020-11-15から1日間の記事一覧

哲学探究を読む(13)

鬼界彰夫訳『哲学探究』が届いたので目を通していた。日本語がこなれていて全集の文体に慣れ親しんだ者としては違和感があるけれど(自分の中ではあれがウィトゲンシュタインの「肉声」になってしまっている)、何箇所か比較してみたところでは全集よりも上…

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反実在論者が「われわれはある『基準』に従って世界を分節化しているのに過ぎない」と言うとき、基準という語の立ち位置が問題になる。もはや実在論的に基準に従うことはできないのだから、ただ「基準に従ってみせる」ことしかできない。それになんの意味が…

哲学探究を読む(12)

『哲学探究』の新しい邦訳が出たことを知り早速注文した。訳者は鬼界彰夫。訳が良ければ全集版からそちらに乗り換えるかもしれない。革新的なことに電子書籍版もあるらしい。しかしまあ、哲学書は紙がいいよな、書き込めるし。 それはそれとして、野矢茂樹訳…