Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

2017-01-01から1年間の記事一覧

0614

強化学習かなんかでだんだん賢くなってゆくAgentをみんなで討伐するMMOとかあったら面白いと思う。はじめのうちはただ奇怪に蠢くだけだったAIが少しずつ洗練された動作を獲得していき、いつしか誰にも倒せない怪物になっている。そうなったらサービス終了。…

0613

わたしとあなたの違いは、言葉においては表面的なものにすぎない。〈このわたし〉を数多の人格から区別する能力を言葉は持っていない。言葉は本質的に対称的だ。だから誰かを殴りつけるために放たれた言葉はたいてい自分をも殴っているし、外敵を拘束するた…

0612

6月だしどうせ暑いだろと思って半袖で過ごしていたら身体を冷やしてしまった。ちょっと風邪っぽい。 シモーヌ・ヴェイユ「重力と恩寵」を読んでいます。正直なところあまり好きな本ではない。観念に雁字搦めにされた思想、極度に自由度の低い知性、そういう…

0610

平日の疲れが溜まっていたのか夕方くらいまでぐったりしていた。それからふと海を見たくなってお台場まで行ってみる。東京湾は田舎育ちの僕が想定するような海とは全然違っていてその点では物足りなかったけれど、いつもは侵食する側である海が人間のつくる…

0609

「すべては現象にすぎない」という表現がもつ力こそわれわれが真に抵抗すべき敵ではなかったか。その表現のもっともらしさを支えているのもまた他の諸現象であり、だから「すべては現象にすぎない」という表現にわれわれの生活から意味を剥奪する特権的権能…

0608

仕事終わりに終わった案件の打ち上げ。ロシア料理を食べる。美味しかったけどワインで悪酔いしたのか精神の調子が良くない。最近気づいたのだけど僕はお酒があんまり好きではないようです。思考力が落ちるし味もよくわからない。ワインの味とか料理の機微と…

0607

意味不明に疲れています。重力が2gくらいある気がする。呼吸がとても浅くなっているのに気付いて意識的に深く吸うようしだしたらちょっとマシになったような。思い込みかも。 仕事は相変わらず暇なので今日はstan職人ごっこ。確率的プログラミングはよくわか…

0605

たくさん昼寝したせいで昨夜は上手く寝付けず結局一睡もしないまま仕事へ。こないだ大きめの案件が終わった関係でとくにやることはなく、論文を読んだり実験をしたりして過ごす。要するに大したことはしていない。 僕の抱いているニューラルネットにたいする…

0604

どうでもいい日記を再開しようと思います。 体調が悪くて一日ぐったりしていました。全身に無駄に力が入っていて体液の循環が滞っている感じ。折角の休日に勘弁してほしいし、「折角の休日」なんてことを考える自分の生活にがっかりする。休みたいときに休ん…

0603

草原にじっと寝そべってときどき尻尾をパタリと動かすやつやりたい。 なにもかもが自明な作業に見えてきてつらいときは、画家や音楽家の身体は自明な動きしかしないけれどもそこから生み出される圧力は非自明であるという事実について考えることにしている。…

0505

新しく言葉を覚えるのはむつかしい。辞書的な定義を知るだけでは、その言葉を正しく理解したことにはならない。言葉を知ることは、その言葉の使用に妥当する新しい状況を知ることであり、世界に新しい境界を引くことである、と思う。たんなる言い換えによっ…

0408

哲学は自己免疫疾患です。 システマティックに生きているとすぐ人生が今日×N日になってしまう。より効率的に生きてゆくために作り出された仕組みが、人間を生きることから締め出してしまう。問題なのはここで「さあ非効率なことをしよう、不合理なことをやろ…

0401

「選言は絵に描くことができない」と言っている人を見かけて興味深い視点だと思った。「林檎がありかつ蜜柑がある」という状況は林檎と蜜柑を一緒に描けば伝わるが、「林檎または蜜柑がある」という状況はどう描いたものかよくわからない。「林檎がある」「…

0329

ふと思ったこと。僕は概念を分析することにあまり価値を見出していない。たとえば愛と友情の違いとか、真実と美の類似性とか、そういう主題について考えることに意味を感じないのだ。というのもわれわれはそれらの概念をふわっと扱っているのであって、その…

0324

大学を卒業しました。学術機関としての大学とは相性が悪かったけれども、場としての大学は好きだったのでちょっとさみしいです。こういう場所をまた見つけられると良いのだけれど。 ちょっとした振り返りを書いておく。 高校卒業前日の夜、自分の何者でもな…

0304

4月からはひとまず計算機巫女業をやって食べていきます。kaggleのData Science Bowlで優勝して賞金で生きていくというのも考えているけど、流石にそれは厳しそう。 自分が物事を後回しにしてしまうのは、正しい後回しの仕方を知らないからなのだな、というこ…

0228

論理の説得力は錯視のそれに近い、ということをふと考えた。 『プロレゴメナ』をちびちび読んでいます。今更ながらやはりカントは偉大だと思う。ただ純粋直観と経験的直観の区別は彼が考えていたほどには厳密なものではなく、むしろスペクトラムをなしている…

0213

卒論の口頭試問が終わりました。いったいどんなダメ出しを食らうのだろうと戦々恐々としながら行ったらわりと恙無く終了しちょっと拍子抜け。主査の先生から「一つの哲学としてちょっと感動した」と言ってもらえたのは嬉しかった。まあ所詮は学部の卒論だか…

0211

素敵な問いを建てられる人間になりたい。 最近ずっと鬱っぽかったのだけれど、試しにDMAEを買って飲んでみたら随分元気になった。神経伝達物質の原料が足りていなかったらしい。やっぱり食事は大事だなあと思うわけだけど、僕のような人間の場合、食事のため…

0131

価値概念の中心にあるのは有限性とその所有だと思うのだけれど、コンピュータというのはそれと真っ向から対立するデバイスである。いちど情報化されたものはいくらでもコピーし転送できるわけだから。だから価値という概念を情報社会の中で維持するためには…

0129

人間は(というか生物は)知覚を行動に変換する関数として捉えることが出来ると思う。で、単純なフィードフォワードネットワーク(つまり直観)では計算の深さに限界があるから、繰り返し構造を導入して効率化を図ったものが言語である、と考えてみたい。こ…

0110

世界は本のようなもので、そこには喜びと悲しみ、信仰と懐疑、自由と必然、その他ありとあらゆるものが書かれているけれども、しかしこの本には読み手が欠けている。未だかつて世界を読んだ者はいないし、これからも決して現れない。閉じ込められた文字たち…

0107

われわれは宇宙の使いみちについて知っているだけで、宇宙については何も知らない。 真に考える価値のある問題のほかに何も考えたくないと思う。しかし真に考える価値のある問題などあるのか。すべての哲学的問いが言語論的なのであれば、つまりすべての答え…