Redundanz

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。

0503

ニューヨークで行われた抗体検査によれば、ニューヨーク市民のうちの 25% ( 200 万人くらい)はすでに covid-19 の抗体を持っているようで、死者数 13000 人ほどなので、単純計算で 0.5%~ くらい死ぬことになる。ヨーロッパ各国における例年の死亡統計との…

0429

文章を書くとき、絵を描くとき、楽器を弾くとき、深く思索しようと試みるとき、僕はどうも必要以上に意気込んでしまって身体をかちこちに強張らせてしまう。だが精神を研ぎ澄ますためには、余計な一切の力は抜かなくちゃいけない。それがなかなかできなくて…

0414

深夜の静寂の中で書き物をしていると、ふと冷蔵庫のかすかな作動音が聞こえてくる。しばらく耳を傾けているとそれは止まり、また静けさが戻ってくる。液晶に意識を戻して続きを書きはじめる。そういうドット絵 GIF アニメみたいな繰り返しの時間を僕は愛して…

0413

今日は久しぶりにかなり集中して仕事(といっても半分遊びみたいなものだが)をした。しばらく前に個人的に興味深く思われるアイディアを実現した Deep Learning の論文が出ていたので、その再現実装。微分可能なレンダリングを介して三次元空間のニューラル…

0411

カミュ『ペスト』を読みはじめました。 在宅労働になって二週間が経った。はじめのうちは仕事とそれ以外との境目が曖昧になりがちで心身のバランスをやや崩してしまっていたが、ようやく慣れたのか調子も戻ってきた。自分は自宅で仕事したほうが性能を出せる…

0405

カードキャプターさくらで、主人公のさくらがローラースケートで通学しているのは、自転車通学している雪兎さんの速度についていくためなのだ(だって通学以外でローラースケート使っていないでしょう)、という主張を聞いて、なんといえばいいのかな、「人…

0401

作業に没頭するあまりPCの画面に前のめりになるみたく、意識が視界や感覚に対し前のめっているような感覚に陥ることがある。反省の奥行きが失われ即時的に外界に応答するようになる。あまり好きな状態じゃない。水底から空を見上げてるくらいが僕にはちょう…

0326

自分の世界観を織りなす中核的洞察を表現するなら、「認識とはシンボル化することである」「シンボルはただシンボルとのみ関わる」「世界には自己シンボル化の機能があり、われわれはその果てにいる」あたりになるだろうか(とくに2個目が重要!)。これら…

0321

高校の友人の結婚式に参加した。よい式だったと思う。高校時代の僕にはそれがよく理解できていなかったが、新郎であるところの友人はたいへん人間ができていて、これからも彼は周囲との調和を保ちつつまっすぐ自分の道を歩いてゆくのだろうと感じた。彼の人…

0317

この身体に何年も生きてきて、どんな動きも自在にこなせる気でいるが、たとえばピアノの前に座ってみれば、簡単な曲すらこの手では奏でられないことに気づく。脳みそだって同じだろう。僕は汎用知性なんかではない。弾けない曲は大量にあり、普段はそのこと…

0316

資本主義の道徳法則があるとしたら、それは「自分がよいと思えないモノでお金を稼いではいけない」あたりになるのではないか、と思った。データドリブンなマーケティングは正直言って非倫理的だと感じる。人間の認知をハックしてはいけない。

0315

労働で変に頭を使ってほかに何も考えられない一週間だった。よくない。 同僚と話していて思ったのだが、同じく道具を作りたい人の中にも、穴埋め式フレームワークを作りたい人と、新しい種類のレゴブロックを作りたい人との2種類があるようだ。ちなみに僕は…

0308

自由に生きるということについて考えていた。考えたことを書き残しておこうと思ったのだが、うまく言葉にならなかったので延期。 ファッション孤高と、天なる神が見ていてくれればそれでよいという態度。

0307

今日覚えたドイツ語の文。僕にはまだ時間がある。 Ich hätte gerne ein gutes Buch hervorgebracht. Es ist nicht so ausgefallen; aber die Zeit ist vorbei, in der es von mir verbessert werden könnte.

0305

資本主義に加担するのが嫌になってきたので資本を投入してこのブログの広告を消した。矛盾。 明文化されたルールなど大きのない点に過ぎない。点と点の間を内挿する仕組みがあって初めて現実に人間を縛りうる。内挿の仕組みとしては今のところ人間の直感をお…

0304

ここ数日、脳がわからない問題を延々考え続けるモードに入っていて気分が休まらない。モードから出るには「解けた!」という実感が大事なのだけど、世の中そんなにすっきり解ける問題ばかりではなく。 僕は言語と世界の一致をただの偶然的なものと思っている…

0229

四年前の閏年はどんなことを考えていたっけなと日記を読み返してみて、文体の背後から仄かに香る当時の時間の流れの豊かさに懐かしい気持ちになったりした。あの頃の僕には暇があった。あらゆる「すべきこと」を放り投げて得た暇であり、つねに自意識に追い…

0228

現実を歪めたり覆い隠したりするような言説をユーモアとは呼びたくない気持ちがあります。ユーモアは知性を明晰にするものであってほしいと思う。まあでも歪みのない現実など幻想なわけで、これはただ自分の狭量さの表出に過ぎないのかもしれない。 言葉にす…

0220

よく考えるためには、まず考えを止めること。心の水面を静かにたもって、水底をじっと見ること。水底に光る自発性のきらめきを見逃さないこと。 コロナウイルスについて「正しく恐れよう」と言う人たちがいる。たいへん嫌な言葉だと思う。まるで絶対の正しさ…

0217

自分の心を観察するときは、推測を挟んではいけない。少なくとも共通言語の論理で推測してはいけない。それは自分固有の狂気を殺すことに繋がる。まず心が混沌を語るのを聞き、そこにある論理を引き出していかねばならない。 自分の不義理が巡り巡って自分を…

0214

言語化するということは、強弱の世界から有無の世界に移るということだ。 Philosophische Untersuchungen を全文丸暗記してみようと思った。言葉の意味や文法は気にせず、ただの音と文字の並びとしてすべて頭の中に収めてみる。それが終わったとき、僕の目に…

0213

茹でたてブロッコリーのしんなり鮮やかな緑が好きだなと思った。おいしい。

0211

暖炉のある暮らしっていいよね、ということで先日注文していたミニチュアレンガが今朝届いたので、さっそくミニチュアロケットストーブを作ってみた。これが東京暮らしの限界である(そんなことはない)。モルタルも準備してあるのだが、まずは仮組みして割…

0210

言語においてはミイラ取りは必ずミイラになる。相手を説得しようとすることは、相手の言葉を覚えることだからだ。多数の人々が曲がりなりにも共通の世界観を維持できているのは、この作用に依るところが大きい。もちろん身体的な同質性により生活環境が似通…

0209

語られたことはすべて規範的である。なぜなら、その内容を肯定するにせよ否定するにせよ、ある文を理解するということは、その文が真となるような条件を理解することであり、それはとりもなおさず、それらの条件が「見えている」ことを要請するからだ。たと…

0208

回転式に生活をやっているとふと旅に出たくなる。ここではないどこかの絶景を思い浮かべて、それを前に立ち尽くすことができたらどんなにいいだろうと考える。だがそうした瞬間に僕の頭を占めているのは、(インターネットや駅のポスターなんかで見て記憶に…

0207

僕の言葉は、人と話をするためにあるんじゃない。という気持ち――気概と言ってもよいかもしれない――を取り戻していきたいと思う。近頃の僕はどうも言葉を意思疎通(これには自分自身との対話も含まれる)にばかり浪費している。それではいけない。光あれ、と…

1130

人間の思考はシンボルの集まりを再度シンボルとして認識することで進行してゆく。例えば、以下の問題*1を解く場合について例に考える。これは Bongard Problem という有名な問題で、左右6枚の模様はそれぞれ別のルールに従っている。このルールを発見するの…

0822

ここ半年ほど、学部教養程度の微積分を復習していた。あまり心の体力に恵まれた人間ではないので、仕事の合間に少しずつ、それも大半の時間を、極限の議論で用いられている思考の枠組みを頭に馴染ませることに集中していた。それでわかったのは、実数という…

0727

僕が数学に対して抱いていた疑念の中核は、数学の予言性はどこから来るのかということで、その予言性は、1.数学体系内における予言性と、2.自然現象に対する予言性の2つに大別される。1.は例えば、すべての自然数を調べ尽くすことなく示されたフェル…